

相場戦略研究所
株譲渡益・配当、5年は税率10%・自民税調
LAST UPDATE : 2002/12/14
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2002/12/14 (産経新聞朝刊)
税制改正大綱決定 大衆増税、企業に優遇先行減税1兆8000億円 (12/14)
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自民、公明、保守の与党三党は十三日、増減税差し引きで一兆八千億円規模の先行減税を実施する平成十五年度税制改正の大綱を決定した。一兆二千億円規模の投資減税を実施する一方で、たばこや酒などの増税も明記、複数年度で税収の減額分を補う。塩川正十郎財務相は同日、先行減税分を取り戻して「税収中立」にする期間について「七、八年」との見通しを示した。
十五年度の先行減税の中心は研究開発減税。総額の8−10%を税額から差し引く税額控除とし、IT(情報技術)に限定した投資減税は10%の税額控除か、50%分の特別償却の選択制とする。
また相続税と贈与税の一体化措置を取り入れ、住宅取得について三千五百万円の非課税額が使えるようにするほか、株式譲渡益などにかかる税金の軽減措置も盛り込んだ。
一方、発泡酒やワインを来年五月から増税、たばこも来年七月から一本あたり一円引き上げる。赤字企業にも課税する外形標準課税は、十六年度から資本金一億円を超える大法人に限り導入。専業主婦世帯の税負担を軽くする「配偶者特別控除」は十六年一月に原則廃止する。【税制改正大綱骨子】
一、たばこは一本一円、発泡酒は一缶(三百五十ミリリットル)十円、ワインも一瓶(七百二十ミリリットル)十円の増税
一、配偶者特別控除は平成十六年一月に廃止
一、相続税、贈与税を一体化する制度を創設。非課税枠は二千五百万円とし、住宅購入の場合には一千万円上積み
一、消費税の免税点を三千万円から一千万円に下げ、簡易課税制度の適用事業者も年間売上高を二億円から五千万円に引き下げ
一、証券の譲渡益、配当金、株式投資分配金の課税を一律20%にした上で、当初五年間は10%に軽減
一、登録免許税、不動産取得税など、土地流通課税を軽減
一、研究開発やIT(情報技術)への投資などを促進するため、新たな税額控除を認める制度などを導入
一、法人事業税(都道府県税)に、所得とは別に人件費や資本金で課税する外形標準課税を導入し、十六年度から資本金一億円超の企業に限定して実施
(12/10)株譲渡益・配当、5年は税率10%・自民税調
自民党税制調査会は10日午前の正副会長会議で、来年1月からの新証券税制に関して株式譲渡益、配当、証券投資信託の収益分配金にかかる税率を原則20%に統一したうえで、5年間は一律10%に軽減する方針を確認した。株式市場に資金を呼び込み市場活性化を狙う。焦点となっている発泡酒・ワイン増税では反対意見が相次ぎ、結論が出なかった。
株式譲渡益課税は来年1月から申告分離方式に一本化。税率は現行の26%から20%に引き下げたうえ、5年間は保有期間にかかわらず、税率を10%に下げる。
配当への課税も源泉徴収だけで納税が済む仕組みに改め、税率は現行の最高50%から20%に引き下げる。5年間は株譲渡益と同様に税率を10%に軽減する。証券投資信託の収益分配金も同じ扱いにする。株式投資について配当も含めて税負担を預貯金利子(税率20%)の半分に抑えることで、貯蓄から投資優遇への政策転換を鮮明にできるとみている。
2002/12/14 (産経新聞朝刊)
税制改正大綱の詳報(12/14)
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与党が十三日決定した平成十五年度税制改正大綱の詳報は次の通り。
第一 基本的考え方=略
1 研究開発減税・投資減税
(1)研究開発減税
試験研究費が増加した場合に税額控除を認める現行制度に加え、新たに総額の一定割合を税額控除する仕組みを選択制で導入する。試験研究費の売上高に占める割合が高い法人ほど控除率も高くなるよう設定する。中小企業の研究開発、産学官連携の共同・委託研究については一律でより高い税額控除率を設定する。
(2)投資減税
IT投資を促進するため、対象をハードウエアに加えてソフトウエアも含むものとし、税額控除(10%)と特別償却(50%)の選択制とする。試験研究費の総額の一定割合を税額控除する制度に加え、研究開発を設備投資面からも支援するため、研究開発用の機械、設備などの取得に対する支援措置を講ずる(特別償却50%)。
2 中小企業税制
(1)研究開発税制において、中小企業に対し、一律でより高い税額控除率(15%)を設定する。
(2)同族会社の留保金課税について、自己資本比率が50%以下の中小企業に対する課税を停止する。
(3)交際費課税について、資本金一億円以下の中小法人について定額控除四百万円までの金額の90%損金算入を認める。
(4)中小企業が30万円未満の減価償却資産の取得をした場合に全額損金算入(即時償却)を認める(現行10万円未満)。
3 相続税・贈与税
(1)相続税・贈与税の一体化措置
相続時精算課税制度(仮称)を創設する。相続時の精算を前提にした概算払いという性格を踏まえ、軽減・簡素化する(非課税枠二千五百万円、非課税枠を超える部分について税率20%で課税)。住宅投資促進のため住宅取得資金の贈与の場合は、非課税枠を千万円上乗せして三千五百万円とし、贈与者の年齢要件を撤廃する。現行の住宅取得資金の贈与税額の特例については十七年末までの間、経過措置として存置する。
(2)相続税・贈与税(暦年課税)の税率の改正
現行の相続税の最高税率(70%)は個人所得課税の最高税率の水準などを踏まえ、50%に引き下げる。これらの改正は原則、十五年一月一日以降の相続税などに適用する。
4 金融・証券税制
(1)上場株式等の配当、公募株式投資信託の収益分配金、上場株式等の譲渡益について一律20%の源泉徴収のみで納税が完了する仕組み(申告不要)を導入する。
(2)「貯蓄から投資へ」との現下の政策課題に対応し、個人投資家の積極的な市場参加を促すため、今後五年間は10%の優遇税率を適用する。
5 土地税制
(1)土地流通課税等
不動産登記に係る登録免許税について、土地に関する課税標準の特例を廃止して、土地と建物に係る実質的な税負担格差を解消するとともに、各種登記間の税率格差の是正を図る。さらに十七年度末までの時限措置として税率を一層引き下げる。
(2)固定資産税=略
6 外形標準課税
十五年度に資本金一億円超の法人を対象として外形基準の割合を四分の一とする外形標準課税制度を創設し、十六年度から適用する。
7 個人所得課税
配偶者特別控除(上乗せ部分)を廃止する。
8 消費税
事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用上限を大幅に引き下げる。
第二 具体的内容
1 研究開発減税・投資減税
(1)研究開発減税
(1)試験研究費の総額に係る税額控除制度の創設
増加試験研究費の税額控除制度との選択制で、試験研究費の総額に対し、一定の控除率で税額控除を認める。
(2)産学官連携の共同研究・委託研究に係る税額控除制度の創設
大学、公的研究機関等との共同試験研究及びこれらに対する委託試験研究について、(1)と合わせてこれらの試験研究に係る試験研究費の額の12%相当額の税額控除を認める。三年間の時限措置として税額控除率を15%とする。
(3)中小企業技術基盤強化税制の拡充=略
(2)設備投資減税
(1)IT投資促進税制の創設
IT関連設備等の取得価額の10%相当額の税額控除と取得価額の50%相当額の特別償却との選択適用を認める。
(2)=略
2 中小企業・ベンチャー企業支援
「国税」
(1)=略
(2)=略
(3)交際費等の損金不算入制度について、四百万円の定額控除を認める対象法人を資本金一億円以下の中小法人(現行資本金五千万円以下)に拡大する。
(4)中小企業の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例制度を創設する。
(5)エンジェル税制
(1)投資促進税制の創設
(2)適用要件の緩和
(6)中小企業等基盤強化税制について適用期限を二年延長する。
(7)商業施設等の特別償却制度について適用期限を二年延長する。
(8)〜(10)略
「地方税」 略
3 相続税・贈与税
(1)相続時精算課税制度(仮称)の創設
(1)概要 生前贈与については、受贈者の選択により、贈与時に贈与財産に対する贈与税を支払い、その後の相続時にその贈与財産と相続財産を合計した価額を基に計算した相続税額から、既に支払った贈与税を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税ができることとする。
(2)適用対象者 本制度の適用対象となる贈与者は、六十五歳以上の親、受贈者は二十歳以上の子である推定相続人。
(3)税額の計算 贈与税の額は、贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる二千五百万円(非課税枠)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出する。
(2)相続税の税率構造の改正
相続税の最高税率を現行の70%(二十億円超)から50%(三億円超)に引き下げ、税率区分を現行の九段階から六段階とする。
(3)贈与税の税率構造の改正
贈与税の最高税率を70%(一億円超)から50%(一千万円超)に引き下げ、税率区分を現行の十三段階から六段階とする。
(1)から(3)までの改正は、十五年一月一日以降の相続または贈与から適用する。
(4)住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度の特例を創設する。
4 金融・証券税制
「国税」
(1)配当課税見直し
(1)十五年四月一日以降に支払いを受ける一定の上場株式等の配当等について、所得税の源泉徴収税率を15%(本則20%)に軽減する特例を創設する。
十五年四月一日以後五年間に支払いを受ける上場株式等等の配当等にかかる源泉徴収税率は7%の優遇税率を適用する。
十五年四月一日から同年十二月三十一日までの間については、源泉徴収税率は10%とする。
(2)少額配当の申告不要の特例の対象となる配当等のうち、十五年四月一日以後に支払いを受ける上場株式等の配当等については、一回の支払金額にかかる適用上限額を撤廃する。
(3)株式等にかかる配当所得の35%源泉分離選択課税の特例は、十五年三月三十一日に廃止する。
(2)投資信託課税見直し=略
(3)上場株式等にかかる譲渡所得等に関する優遇措置見直し=略
「地方税」
(1)十六年一月一日以後に支払いを受ける上場株式等の配当等にかかる課税について、道府県民税配当割(仮称)を創設する。税率は5%(十六年一月一日から二十年三月三十一日までの間に支払いを受ける上場株式等の配当等については3%)とする。
(2)十六年一月一日以後における源泉徴収口座内の株式等の譲渡による所得にかかる課税について、道府県民税株式譲渡益割(仮称)を創設する。
5 土地税制
(1)登録免許税
十五年四月一日から十八年三月三十一日までの間、売買その他の原因による移転の場合、税率を一〇〇〇分の一〇(本則一〇〇〇分の二〇、現行一〇〇〇分の五〇)に引き下げる。
(2)不動産取得税
(1)十五年四月一日から十八年三月三十一日までの三年間に限り、標準税率を3%(現行4%)とする。
(2)宅地の取得が、十五年一月一日から十七年十二月三十一日までに行われた場合は、課税標準を価格の二分の一とする。
6 農林漁業対策
(1)森林計画特別控除の適用期限を二年延長する。
7 環境対策・エネルギー税制
「グリーン化税制」
(1)自動車税について、環境負荷の小さい自動車は税率を軽減し、環境負荷の大きい自動車は税率を重くする特例措置を講ずる。
(2)〜(6)=略
「環境対策」=略
「エネルギー税制」
(1)石油石炭税(仮称)
税率を液化石油ガス(LPG)及び液化天然ガス(LNG)については一トン当たり千八十円(現行 LPG六百七十円、LNG七百二十円)に引き上げるとともに、石炭を課税対象に追加し、その税率を一トン当たり七百円とする。
8 外形標準課税
(1)基本的な仕組み
(1)対象は資本の金額または出資金額が一億円を超える法人とする。
(2)課税標準は、所得割として各事業年度の所得及び清算所得、付加価値割として各事業年度の付加価値額、資本割として各事業年度の資本等の金額とする。
(3)〜(7)=略
(2)条例による外形標準課税の特例の取扱い=略
(3)適用期日
付加価値額及び資本等の金額による外形標準課税は十六年四月一日以後に開始する事業年度から適用する。
(4)その他=略
9 個人所得課税
配偶者特別控除のうち控除対象配偶者(合計所得金額三十八万円以下の配偶者)について配偶者控除に上乗せして適用される部分の控除を廃止。十六年分以後の所得税及び十七年度分以後の個人住民税に適用する。
10 消費税
(1)事業者免税点制度の適用上限を一千万円(現行三千万円)に引き下げ。簡易課税制度の適用上限を五千万円(現行二億円)に引き下げ。十六年四月一日以後に開始する課税期間から適用する。
(2)消費税において販売等の取引を行うに際し、その取引価格を表示する場合には、消費税等の額を含めた総額を明らかにすることを義務付ける。
11 酒税・たばこ税
「酒税」
(1)酒類間の税負担格差の縮小
(1)税率は、発泡酒で一キロリットル当たり十万五千円から十三万四千二百五十円に引き上げ。果実酒で同五万六千五百円から七万四百七十二円に引き上げ。
(2)実施時期は十五年五月一日から。
(2)〜(7)=略
「たばこ税」
(1)税率は、旧三級品以外の製造たばこは一千本につき、現行六千二百五十二円を七千七十二円に引き上げ。
(2)実施時期は十五年七月一日から。
12 その他の政策税制
「道路財源の確保」
(1)揮発油税及び地方道路税の税率の特例措置の適用期限を5年延長する。
(2)自動車重量税の税率の特例措置の適用期限を5年延長する。
「その他の政策税制」=(略)
第三 検討事項=(略)
(12/9)特定口座など見直しで前進!?・11月27日政令改正
財務省は11月27日、2003年1月からの新しい証券税制についていくつか政令の改正を実施した。焦点は証券会社が投資家の納税手続きを代行する特定口座制度の改善で、
(1)これまで証券会社に預けてある株式を特定口座に入れる申し込み期限を従来の2002年末から2003年末まで延長する
(2)1992年以前に購入した株式を特定口座に入れる場合にはみなし取得価格(2001年10月1日終値の80%)ではなく実際の購入価格でも移管できるようになった――など。
ただ、特定口座に限らず、新しい税制はなお複雑なため、年内はもちろん、スタートした2003年以降にも見直しの動きが予想され、まだまだ、注意する必要はある。個人投資家としては新制度が軌道に乗るまでは、情報収集を怠ることはできないようだ。
