相場戦略研究所


 渡辺幹夫の「4月高のアノマリー」 13.3.1

3月に買い、5月に売る……日本株の投資は、このやり方で報われることが多いものだ。日本株には「1年12ヶ月の中で4月が最も上昇しやすい」という、4月高のアノマリーが存在するからである。

そして今年に関してこのアノマリーの発生を妨げる理由は、現在のところ見当たらない。

筆者は、自ら担当している特金ファンドの3月決算空け(3月20日前後であることが多い)には、株式ポジションを可及的速やかに増加させることが多い。そしてこの投資行動は多くの場合、運用の好調なスタートをもたらしてくれる。

 データを示そう。'87年から'99年まで、延べ13年間に4月の日経平均が陽線だった回数は9回、率にして75%と非常に高い。バブル崩壊以後のボックス相場だけをとれば、この傾向はもっと顕著である。93年から99年の延べ7年間に4月の日経平均が陽線だった回数は6回。

率にすると83%である(月間変動が200円に満たないケースは除く)。そしてどちらの期間の統計においても、1年12ヶ月の中で、最も上昇発生率が高い月は4月なのだ。

アノマリーの発生は、多くの企業にとって決算月である「3月」に絡んでの株式の需給関係の変化に起因している。

株式市場では2月から3月中旬にかけ、毎年決まったように株式需給悪化の時期が訪れるが、4月は3月とは逆に株式の買いニーズが発生し、需給が様変わりに好転する傾向がある。

この傾向は拙著「ファンドマネージャーの株式運用戦略」で詳しく書いているが、機関投資家と金融機関の売買行動に起因する部分が大きい。彼らは本決算月である3月にかけ、持ち合い解消や益出しなどの売りを活発化させるのが常である。

しかし3月の決算期末を前後して、株式需給は様変わりに好転する。

決算に関連した売りニーズが峠を越す一方、新年度入りに伴う株式運用のスタートなどから株式の買いニーズが高まることで、相場が上昇に転じることが多いのである。

 さてこの4月高のアノマリー、昨年は不発に終わっている。昨年のアノマリー不発は、ITバブル崩壊圧力の方がアノマリーを発生させる株式需給の変化よりはるかに大きかったという理由により、80%は説明がつくと思われる。

つまり4月高のアノマリーの要因が構造的に変わってしまったというわけでは決してなく、何事もなければ4月高は再現される可能性が高いと考えているわけだ。逆にいえば、この「何事もなければ」という点がポイントである。

行動指針:5月ゴールデンウイーク空けに売ることを前提に、3月中に買い場さがし。

悪目買い。

銘柄は投資家自身の判断に委ねたいが、比較的無難なのはバリュー系か。