

相場戦略研究所
渡部幹夫の「日本株の季節性を活かした売買@」 10.9.21
渡部幹夫の「日本株の季節性を活かした売買A 」1999、10,19
小豆相場には、1年草の穀物ゆえに発生するアノマリーが存在する。収穫時期の秋は需給関係から安くなるし、需要期である1月以降当分の間は、逆に需給関係から高くなりやすいという。
以上から、このアノマリー(というか典型的な動き)を活かして、1年の売買基本戦略を策定することが可能である。いわゆる「秋は買いより、春は売りより入るべし」という格言に代表されるような戦略である。
さて日本株の場合はどうだろうか?小豆のような「典型的な動き」はあるのだろうか?
結論から言えば、あると考えて良さそうだ。日本株には、4月、5月は株価が上昇しやすく、また9月、10月は株価が下落しやすいアノマリーが存在する。以下にデータを示すので、ご参照願いたい。より詳しくは、拙著「ファンドマネージャーの株式運用戦略」【同友館】をご覧いただきたい。
以上述べた傾向から、「4月5月が来る前に買って、その後で売る」と、「9月10月が来る前に売って、その後で買い戻す」というスケジュールを、1年間の株式売買の基本戦略として位置付けて良さそうである。
さて、今年の株式市場を考えてみよう。「足元の株式市場では、日経500、TOPIXは高値更新中、あるいは高値近辺に位置しており、典型的な動きとはいえないではないか」と指摘する向きもあるだろう。
しかし市場の中身を見れば、今年も足元は「ミニ二極化相場」といえる状況である。インデックスの動きとは異なり、いわゆるバリュー銘柄の多くは下落し、新安値近辺に位置しているものも多い。
これら下落している銘柄群については、「典型的な動き」をしているとみなして良いだろう。10月以降、買い場探しで報われる可能性が高いと筆者は考えるのである。
@’86年4月から’98年4月までの約13年間
順位 月 有効標本数 上昇した回数 上昇月の発生率
1位 4月 11 8 73%
2位 5月 10 7 70%
3位 7月 9 6 67%
4位 12月 12 8 67%
5位 1月 11 6 55%
6位 2月 11 6 55%
7位 11月 11 6 55%
8位 3月 11 5 45%
9位 8月 11 5 45%
10位 9月 11 4 36%
11位 6月 12 4 33%
12位 10月 10 3 30%
total: 130 68
A‘92年8月から’98年4月までの約5年半
順位 月 有効標本数 上昇した回数 上昇月の発生率
1位 4月 6 5 83%
2位 1月 5 3 60%
3位 8月 5 3 60%
4位 11月 5 3 60%
5位 5月 4 2 50%
6位 7月 4 2 50%
7位 12月 6 3 50%
8位 2月 5 2 40%
9位 6月 5 2 40%
10位 3月 6 2 33%
11位 9月 6 1 17%
12位 10月 6 1 17%
total: 63 29
出所:「ファンドマネージャーの株式運用戦略」(同友館)
前号で、1年間の株式売買のスケジュールとして、「4月5月が来る前に買って、その後で売る」と、「9月10月が来る前に売って、その後で買い戻す」ということを基本戦略において良さそうであるとした。
さて今年の株式市場は、「ミニ二極化相場」といえる状況である。比較的堅調であるインデックスの動きとは異なり、バリュー銘柄の多くは9月10月にかけ下落している。これら下落している銘柄群については、9月10月にかけ下落しやすい「典型的な動き」をしているとみなして良く、10月以降、買い場探しで報われる可能性が高いというのが筆者の基本観である。
但し以上の考え方に、問題が無いわけではない。拙著「ファンドマネージャーの株式運用戦略」【同友館】の中で書いた通り、バリュー銘柄投資が機能するためには経済、相場がイレギュラーでなくなることが必要で、具体的には、国内GDP成長率の潜在成長率程度への復帰、土地、株式価格の右肩下がりの終了などが相当に確からしいと見えて来ることが必要であるからだ。以上と照らし合わせた場合、現在の状況はどうなのだろうか?
GDPは2四半期連続プラスであるなど、とりあえず、景気は底打ちしたと認識して良さそう。一方、土地価格については、右肩下がりが終了したとは言いきれないのが現状。そして以上の基準からは外れるが、持ち合い解消についても依然として進行中であるのは事実。
以上から、バリュー銘柄投資が時期尚早であるリスクが残っていることも事実。従ってここでは、「配当利回りが高いため、インカム・ゲイン狙いの視点から長期保有する価値がある一方、「典型的な動き」が発生した場合には短期利食いが可能になる」銘柄群をスクリーニングしてみた。
No. 銘柄名 配当利回り 株価 PBR 株主資本比率
2003 日東粉 2.5 240 0.865 30.798
2108 甜菜糖 2.551 196 0.65 47.661
3002 グンゼ 2.799 268 0.471 65.428
3513 市川毛 2.381 210 0.347 42.663
3526 芦森工 1.961 255 0.798 59.308
3529 アツギ 2.033 123 0.621 60.6
4089 大阪酸 2.632 190 0.669 31.517
4989 イハラケミ 1.718 291 0.691 69.642
4997 日農薬 1.606 249 0.608 28.317
5122 オカモト 2.852 263 0.846 23.185
5195 バンドー 2.222 270 0.877 33.425
5210 日山村硝 2.075 241 0.524 22.347
5301 東海カ 2.293 218 0.776 52.129
5464 モリ工 2.113 284 0.578 22.199
5481 山陽鋼 1.765 170 0.447 22.836
5602 栗本鉄 2.807 285 0.375 24.202
5958 三洋工 1.812 207 0.517 35.548
6107 アマダソノ 2.024 247 0.324 79.991
6306 日工 2.098 286 0.543 50.127
6339 新東工 1.908 262 0.427 60.359
6358 酒井重 3.158 285 0.588 60.235
7258 栃富士 1.852 270 0.368 59.309
8114 デサント 3.015 199 0.425 22.569
8201 さが美 2.857 280 0.337 51.383
8617 光世 2.262 221 0.715 70.539
条件 : 東証一部銘柄 PBR1倍以下 株価300円以下 配当利回り1.5%以上 株主資本比率20%以上
