

相場戦略研究所
イラク戦争の長期化懸念
戦争の早期終結期待で日本株続伸、バグダット制圧期待で輸出、復興株高い(2) (ブルームバーグ)
2003年4月7日(月)16時14分
東京 4月7日(ブルームバーグ):週明け7日の東京株式相場は続伸。午後に入り、米軍がイラクの首都バグダッドにあるイラク政府の関連施設を制圧したと報じられ、戦争の早期終結期待が高まった。株価指数は取引終了にかけて一段高となり、日経平均株価、TOPIXともにこの日の高値引けとなった。
トヨタ自動車やブリヂストンなど輸出関連株が上昇。また、市場参加者の中心である個人や証券会社の自己売買部門など短期資金は低位、材料株への投資意欲を強め、東証1部の出来高上位に並んだ千代田化工建設やトーヨーカネツ、東洋エンジニアリングなど、イラク戦後の復興需要に期待する格好で、プラント関連株の一部も急伸した。
日経平均株価の終値は、前週末比175円86銭(2.2%)高の8249円98銭、TOPIXは15.03ポイント(1.9%)高の810.58。
イラク戦況
仏AFP通信がこの日午後に伝えたところによると、米軍がバグダッド中心付近の大統領宮殿を攻撃。また米AP通信によれば、米軍機甲部隊が7日朝、バグダッドの中心部に進入し、大統領宮殿の1つと情報省庁舎を制圧したと報じた。米軍は市内のアルラシド・ホテルも占拠し、上空には米軍機も確認できるという。
また共同通信によると、米FOXテレビは7日、バグダッドの大統領宮殿に入った米戦車部隊の米兵の様子を生中継し、大統領宮殿施設からは黒煙が激しく上がっている。
こうした戦況の好転を評価し、シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のナスダック100指数先物は、午後3時47分現在で基準価格比26ポイント高と、上げ幅を拡大させる展開。7日の米国株高を期待する動きが、東京市場でも売りポジションをとっている向きなどからの買い戻しも誘発し、指数の上げ幅拡大につながったとみられている。
ウツミ屋証券の藤田勝義取締役は、イラク戦況の進展が相場上昇を主導したと分析したうえで、「市場参加者の中心はオンライン証券を通じたデイトレーダーなど。こうした資金は中低位材料株に向き、当面はこうした動きが続くだろう。特にイラクの復興関連は注目。週末のG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)で
、イラク攻撃をめぐって国連で割れた各国が、戦後復興で1つにまとまれるか、期待されるところ。うまくいけば、世界的に復興関連が活気づく可能性がある」と指摘した。
東証1部の出来高は10億100万株と、株価指数先物の特別清算指数(SQ)算出日を除くと、2月18日以来、約1カ月半ぶりの10億株超えを記録。ただ、売買代金は5753億円と、前週末から238億円減少し、投資対象の中心が低位株であることをうかがわせている。
個別銘柄
トヨタやブリヂストンのほか、ホンダ、日産自動車など自動車株が上昇。シャープや京セラ、日立製作所、松下電器産業などの電機株も高く、午前の取引では小安かったソニーも、取引終了にかけては上げ幅を拡大した。 ドル・相場が1ドル=120円70銭近辺と、前週末比で円安方向に振れていることが、海外売上高比率の高い両セクターの買い安心感につながった。
イオンやファーストリテイリング、イトーヨーカ堂など小売株も高い。イオンはこの日午前に、2003年2月期の連結営業利益が前期比11%増の1322億円と、3期連続で過去最高益を更新したと発表。足元の好業績が評価された。
三井住友フィナンシャルグループ、三菱東京フィナンシャル・グループなど大手銀行株、NTTドコモやNTT、KDDIなど値がさ通信株といった時価総額情勢セクターも、午後に入って一段高の展開。午前の取引では、持ち合い(企業間の株式相互保有)解消売りや、事業会社による厚生年金の代行返上売りなどに警戒感が広がっていたが、一方で公的年金資金とみられる買いへの期待感が根強く、徐々に持ち直した。
4日付の日経産業新聞で、任天堂の家庭用ゲーム機「ゲームキューブ」向けの比重を見直すと報じられ、経営効率化に期待感が高まったカプコンも急伸。
踏み上げ相場
東証1部の出来高上位に並ぶ五洋建設、千代田化工建設、いすゞ自動車、ナカノコーポレーション、東洋建設、日本バルカー工業、トーヨーカネツ、東洋エンジニアリング、太平工業、三井松島産業、ユアサ商事などが軒並み急伸。 特に千代建は、イラクの戦後復興としてプラント建設受注の拡大期待が広がったほか、また大幅続伸したヤクルト本社は、仏ダノン社による保有株式の増加や、中国・香港を中心に猛威を振るっている重症急性呼吸器症候群(SARS)にヤクルトが効くとの見方が材料視された。
こうした銘柄群の信用取り組み状況をみると、総じて売り残が買い残を上回る状況となっており、株価急伸で売り方の買い戻しを誘ういわゆる「踏み上げ相場」の様相を呈してきている。
千代建の場合、直近の信用取り組み状況は買い残の252万株に対し、売り残は362万株。ヤクルトは買い残の3万8000株に対し、売り残は68万3000株に達している。両銘柄は4月に入ってからこの日の高値まで、それぞれ36%、21%上昇。千代建は3月中旬まで、250円から300円近辺でのもみ合いが続いていたが、この間に売り残は280万株台から、一時は460万株まで急増していた。
半面、株式評価損の計上で、前3月期の利益見通しを大幅下方修正した富士写真フイルムが大幅続落。同じく下方修正した三井不動産のほか、三菱地所など不動産株が下げ幅を拡大。 任天堂は円安進行などが好感され、午前の取引では堅調に推移していたが、午後に入って7日付日経新聞電子版が、2003年3月期の利益見通しが家庭用ゲーム機の販売低迷を理由に下方修正すると伝えたことで、下げに転じた。
銀行株が落ち着く
午前の取引では前日終値を挟んで荒い値動きをみせた銀行株が、午後に入って上昇基調を強め、落ち着いた動きをみせたことも市場心理を好転させたようだ。東証業種別指数の銀行株指数は、前週末にバブル経済崩壊後の安値を更新したものの、安値後は急速に切り返し、この日も前週末比2.6%高の132.3ポイントと続伸して引けた。
銀行株については、今月中旬以降にも金融庁による大手行に対する特別検査の実情が明らかになる見通しで、不良債権処理の進展状況をめぐって、まだ不安定な動きが続くとの見方が根強い。三菱証券エクイティ・リサーチ部の山本容子ストラテジストも「国内株にとってのリスクはやはり銀行株。赤字拡大という業績見通しはある程度予想され、驚きではなかったが、今後の不良債権処理を含め、政府の銀行株に対する政策の腰が定まっておらず、今後の銀行の収益性などについて、先がみえてこない」と指摘している。
ただ、ウツミ屋証券の藤田氏によると、相場全般に占める銀行株の時価総額は歴史的な低水準に接近しており、ほぼ底値圏に到達したとの見方も出つつあるようだ。
藤田氏によると、英国で金融改革(ビックバン)が行われていた1986年2月時点で、英銀行株指数のFT100指数に占める時価総額ウエイトは5.88%で底打ちした。一方、今年3月末時点における東京市場での銀行株のTOPIXに占める時価総額ウエイトは6.95%。
個別行ベースでは、英国並みの時価総額比率に当たる水準をすでに下回り、売られ過ぎの水準に達している銘柄もあるという。
藤田氏は、前週までの銀行株急落について「大手増資を実施した後、熊谷組の金融支援の話が出たことで、増資引き受け先が一斉に投げ、それにヘッジファンドなどの売りが重なった。ただこれは、気持ちで売った部分が大きい」と指摘。そのうえで、「今後、収益力を高める方策を明確に出せたところに関しては、徐々に戻してくる可能性がある」との認識を示した。
*T 主要株価指標の動向 前日比
日経平均 8249.98 +175.86
TOPIX 810.58 + 15.03
日経平均先物 8300.00 +210.00
日経平均先物(SIMEX) 8310.00 +225.00
東証2部指数 1522.17 + 7.74
ジャスダック・ブルームバーグリードトップ指数 1351.34 − 0.35
東証1部出来高(百万株) 1001
値上がり銘柄数 972 値下がり銘柄数 421*T
東京 院去 信太郎 Shintaro Inkyo、川上 利真子 Rimako Kawakami
(03/25 08:00) NY株、300ドル超急反落 イラク戦楽観ムード後退
週明け24日のニューヨーク株式市場は、イラク戦争が予想以上に長期化するとの懸念が広がり、前週末の大幅高から一転、全面安。ダウ平均もナスダック指数も、下げ幅はともに今年最大だった。
大企業中心のダウ工業株平均は、前週末比307.29ドル安い8214.68ドルと、2営業日ぶりに8300ドルを割った。9営業日ぶりの反落。ハイテク株の多いナスダック市場の総合指数も、同52.06ポイント低い1369.78で引けた。
米英軍が首都バグダッド入りを目前にして、イラク側の激しい反撃を受けているなどの戦況が伝わったため。戦闘の長期化で収益が著しく悪化するとみられる航空、ホテル、小売り関連株を中心に幅広い銘柄へと売りが広がった。戦闘の短期終結期待を背景に続いた買いは打ち止めムードになっている。
2003年3月27日(木米国株:下落、イラク戦争の長期化懸念-メドトロニックなど安い(3) (ブルームバーグ))7時14分
ニューヨーク 3月26日(ブルームバーグ):26日の米国株市場は下落。イラク戦争の早期終結期待が大きく後退し、戦争が長期化した場合、米景気に悪影響を与えると懸念された。
積極的な買いが控えられるなか、メドトロニックなど医療機器メーカーは、証券会社UBSウォーバーグによる投資評価引き下げが嫌気され、売られた。
ブッシュ大統領は同日午前、フロリダ州タンパ郊外の米中央軍司令官部で演説、米英を中心とする合同軍の軍事作戦について、「順調に進んでいるが、戦争終結までにはほど遠い」と語った。「この戦争がどの程度続くのか分からない」とも述べ、米国市民に長期戦になる可能性を示唆した。
米株式市場は先週、戦争が短期に終わるとの期待から大幅上昇したが、「期待は行き過ぎだった」(アドバンテス・キャピタル・マネジメントのファンド・ マネジャー、ガンダーソン氏)との見方から、この日は売りが優勢となった。
ダウ工業株30種平均は、前日比50ドル35セント(0.6%)安の8229ドル88セント。S&P500種は同4.79ポイント(0.6%)安の869.95。ナスダック総合指数は同3.56 ポイント(0.3%)安の1387.45。
先週の株式市場では、戦争が早期に終結するとの期待から、ダウ平均が8.4%の大幅高となり、週間上げ率としては過去20年間で最大を記録していた。
2003/03/28 (夕刊フジ)
イラク戦争、「短期終結論」に陰り…( 3/28)【ワシントン27日共同】
「開戦から4日でバグダッドを包囲する」
「早ければ2週間で戦争は終わる」−。
イラク戦争前に米ブッシュ政権が振りまいてきた楽観論が、米国内で急速にしぼんできた。
激しい砂嵐など気象条件も含めて、イラクでの戦争は米軍にとって予想以上に手ごわいことが次第に判明。戦争の長期化を懸念する世論も台頭しており、米専門家の間からは当初の「期待値」が高すぎたとの指摘も出始めている。
ここ数日間、米各紙には「ヘリコプター墜落で海兵隊員死亡」「米兵数人がイラク側の捕虜に」「砂嵐で進軍に遅れ」などの見出しが並び、戦死者の遺族が泣き叫んだり、行方不明者の家族が不安な表情を浮かべる写真がこぞって掲載された。
25日発表の米紙ニューヨーク・タイムズとCBSテレビの合同世論調査によると、
22日には過半数あった「戦争は2、3週間で終結する」との予測が、
24日には3割台前半に急落。
その逆に、4割だった「戦争終結まで数カ月かかる」が6割を突破した。
2003年3月28日(金)米国株式市場=続落、イラク戦争が長期化するとの懸念で (ロイター)7時40分
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)
終値 8201.45 (‐28.43)
前営業日終値 8229.88 (‐50.35)
ナスダック総合(非公式)
終値 1384.25 (‐ 3.20)
前営業日終値 1387.45 (‐ 3.56)
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[ニューヨーク 27日 ロイター] 27日のニューヨーク株式市場は、続落した。
原油価格上昇、イラク戦が予想より長期化するとの見方を背景に、米景気への懸念が高ま
り、売りが先行する展開となった。
一方、原油価格が再び1バレルあたり30ドルを上回ったことから、ハリバートン
.N>やBJサービシズなど油田サービス企業は上昇した。米国が主導するイラクで
の戦争の期間について様々な見方が交錯するなか、投資家らは大きなポジションをとるの
を手控えている。
ブッシュ米大統領とブレア英首相は、会談後の記者会見で、戦争の期間を明言しなかっ
た。27日付のワシントン・ポスト紙は、軍関係者の話として、戦争が数週間ではなく数
カ月続く可能性がある、と伝えた。
この日の終値は、ダウ工業株30種が、28.43ドル(0.35%)安の
8201.45ドル。ナスダック総合指数は3.20ポイント(0.23%)安
の1384.25。S&P総合500種指数は1.43ポイント(0.16%)安
の868.52だった。
