
相場戦略研究所
日本債券、札割れで長期債需給悪化を懸念
日本債券(予想):軟調、札割れで長期債需給悪化を懸念―デフレ支え (ブルームバーグ)
2002年9月24日(火)8時24分
東京 9月24日(ブルームバーグ):24日の債券相場は軟調な展開が見込まれる。20日実施の10年国債入札では予定額に応札額が届かない札割れとなった。不足分はシンジケート団が引き受けるため未達とはならないが、市場心理を大きく悪化させたことは確かで、長期債需給に対する不安感がくすぶり続けよう。半面、23日の米国株式相場が急落しており、世界的なデフレ観測を背景に10年債利回り1.3%台半ばでは打診的な需要が期待されている。
日興ソロモン・スミス・バーニー証券債券本部の佐野一彦チーフストラテジストは、投資家の購入意欲が再び大きく盛り上がるには、9月末を過ぎ、来月の10年国債入札を無事に終えることが必要かもしれないと指摘。そのうえで、「きょうは先週末の悪地合いが残るが、基本的にマクロ環境は変わっておらず、10年債のコアレンジは1.0―1.4%。大きく盛り上がらずとも押し目買いに期待したい」と言う。
先物市場で中心限月の12月物は、20日の終値139円48銭を下回って始まり、日中は138円90銭から139円50銭程度で推移しそうだ。23日のロンドン市場で、12月物は20日の東京市場終値より40銭安い139円08銭で引けた。
前週末20日の先物相場は急落。同日午後1時に発表された242回債の入札結果で、10年国債として史上初の札割れとなり、長期ゾーンの需給悪化への警戒感が強まった。大和証券SMBCの末澤豪謙チーフストラテジストは、「札割れの最大の要因は、日銀による株式買い取り構造の発表に伴い、市場参加者がシナリオ変更を迫られたことによる。期末要因というテクニカル面の影響も大きかった」と言う。
12月物は20日のロンドン市場で一時139円ちょうどまで下落しており、この日の東京市場でも139円割れで、どの程度押し目買いが入るかがポイントとなりそうだ。UFJつばさ証券の道家映二シニアストラテジストは「中間決算直前というタイミングで相場が急落し、多くの市場関係者が含み損を抱えた結果、目先は処分売りが上値を抑えることになろう」と指摘しており、一時的に調整幅が大きくなることも考えられる。
一方、週明け23日の米国株相場は大幅下落。世界的なデフレの進展観測は根強く、円債相場の下支え要因となりそうだ。同日の米国株式市場では7-9月期決算発表シーズンを前に、業績見通し下方修正が相次ぐなか、ナスダック(店頭市場)総合指数は、7月下旬の相場下落局面で記録した安値を割り込み、6年ぶりの低水準に落ち込んだ。
現物は1.3%台前半
現物市場で、20に入札された新発10年国債の242回債利回りは、20日の終値1.300%を中心としたの推移が見込まれるが、1.3%台前半での推移が中心となりそうだ。
今週は日銀が18日に株式買い取りという、いわば捨て身の政策に踏み切ったことを受けた政府の不良債権処理に向けた対応を見守ろうとの雰囲気が強まりそうだ。市場で注目された20日の経済財政諮問会議では具体的な処理案は示されず、公的資金注入も議論にならなかった。しかし、週末にはG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)が開催されるので、市場では「何らかの形で骨格が示される可能性はある」(末沢氏)と警戒している。
ただ、市場では10年債利回りの押し目の水準を探ろうとするムードも広がっている。トヨタアセットマネジメントの浜崎優シニアアナリストは「10年債利回りは直近の底値(1%)から30ベーシスも上昇しており、節目では押し目買いが期待される。政府の政策対応が期待はずれとの見方が強まれば、売られ過ぎの長期ゾーンが急速に戻すことも考えられる」と言う。
東京 山中英典 Hidenori Yamanaka
